7月7日にアルケミーにて《にやにや笑いのイグナス》が禁止カードへと指定されたのは記憶に新しいですね。
この禁止についてざっくり説明すると、《にやにや笑いのイグナス》と《ゆすり屋のボス》を使ったコンボデッキがアルケミーで最近まで暴れまわっていました。
このデッキは《ゆすり屋のボス》で《にやにや笑いのイグナス》に宝物トークンを生成する能力を永久に付与し、《にやにや笑いのイグナス》を手札と戦場を無限に行き来させるというもの。


後は《龍火花の反応炉》や《裕福な亭主》で無限ダメージや無限ライフゲインでゲームを決めるといったものでした。
《ゆすり屋のボス》が2マナと軽く、《にやにや笑いのイグナス》の手札と戦場を往復する動きに一般的な除去では対処できない(除去を挟むタイミングが無い)ため見た目以上に妨害がしづらいコンボとなり、その結果アルケミーは「先にイグナスコンボを決めた方の勝ち」という荒れた環境へ突き進むことに。
さすがにこのような環境が容認されるわけもなくアルケミーにテコ入れが入ったわけですが、今回はナーフではなく《にやにや笑いのイグナス》の禁止という形で決着する事となりました。
デジタル専用のフォーマットでカードの調整を容易に行えるという名目であるアルケミーにも関わらず、いきなり禁止、それもアリーナ専用のカードである《ゆすり屋のボス》ではなく、スタンダードに存在する《にやにや笑いのイグナス》が禁止と、これまた荒れるような方法を取ってしまったわけですが、とにもかくにもアルケミーでこのコンボは成立する事はなくなったというわけです。
このような経緯があるわけですが、アルケミーで禁止という措置を取った事は必ずしもマイナスな事ばかりではありません。
アルケミーでナーフされたカードはヒストリックにも影響があるため、《アールンドの天啓》のようにヒストリックでは決して強すぎないカードも、アルケミーでナーフされた事により日の目を見る事ができない事も少なくなく、この点はユーザーからも非常に不評なものとなっています。
しかし今回のように禁止という措置を取っていれば、少なくとも他のフォーマットには影響がありません。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、《にやにや笑いのイグナス》がアルケミーにおいてナーフではなく禁止となった事で、ヒストリックではこのコンボを問題なく使う事が出来るというわけですね。
そこで今回はヒストリック版【イグナス・コンボ】をご紹介していきたいと思います。
まずはデッキリストから
24:Land 4:《寺院の庭/Temple Garden》 3:《ジェトミアの庭/Jetmir’s Garden》 3:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》 3:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》 2:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 2:《枝重なる小道/Branchloft Pathway》 2:《針縁の小道/Needleverge Pathway》 1:《森/Forest》 1:《山/Mountain》 1:《ハイドラの巣/Lair of the Hydra》 1:《皇国の地、永岩城/Eiganjo, Seat of the Empire》 1:《平地/Plains》 |
6:other 2:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》 4:《集合した中隊/Collected Company》 |
30:creatures 4:《魅力的な王子/Charming Prince》 4:《ゆすり屋のボス/Racketeer Boss》 4:《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 4:《機知ある怨怒取り/Witty Roastmaster》 4:《にやにや笑いのイグナス/Grinning Ignus》 4:《魂の管理人/Soul Warden》 3:《悪魔的な客室係/Devilish Valet》 3:《語りの神、ビルギ/Birgi, God of Storytelling》 |
15:sideboard 3:《ポータブル・ホール/Portable Hole》 2:《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》 2:《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》 2:《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》 2:《終わりなき巣網のアラスタ/Arasta of the Endless Web》 2:《苦悩火/Banefire》 1:《残骸の漂着/Settle the Wreckage》 1:《うろつく蛇豹/Prowling Serpopard》 |
ソース:マジック英語公式-7/11traditional-historic-ranked
《ゆすり屋のボス》で《にやにや笑いのイグナス》を無限に出し入れするのはアルケミーと同じ。
《魂の管理人》による無限ライフゲイン、《悪魔的な客室係》《機知ある怨怒取り》による無限ダメージをフィニッシャーに据えています。
アルケミーと同じく《語りの神、ビルギ》の採用により《ゆすり屋のボス》が無くても無限コンボに取り掛かれるようにしていますが、ヒストリック版ではこれに加えて《コーの空漁師》+《ゆすり屋のボス》+《語りの神、ビルギ》でも成立しており、コンボの安定性はさら向上していると言えます。



そしてこれらのコンボパーツは全て3マナ以下のクリーチャーで構成されているわけなので、《集合した中隊》を採用する事が出来てしまいます。
このカードにより今まではあり得なかったインスタントタイミングでもコンボの可能性があり、奇襲性も獲得。
これこそがアルケミーにはないヒストリック最大の強みと言えますね。

無限コンボを成立させるパーツの増加、コンボパーツの軽量化、《集合した中隊》によるサーチ力と奇襲性の獲得と、アルケミーのものとはまた一味違う構成となっているヒトリック版イグナス・コンボ。
ヒストリックでもアルケミーのように暴れまわる日が来るかもしれませんね。