7月7日にアルケミーにて《にやにや笑いのイグナス》が禁止になって約2週間が経過しようとしています。
《にやにや笑いのイグナス》は《ゆすり屋のボス》と強いシナジーを形成し、容易に無限コンボを成立させ、その結果アルケミーはイグナスコンボが環境を支配する事に。


「先にイグナスコンボを決めた方が勝ち」という歪んだ環境になったわけですが、もちろんそんな状況は放置されるわけもなく、《にやにや笑いのイグナス》は禁止カードへと指定され、このデッキは姿を消す事となりました。
スタンダードと比べると特定のデッキが幅を利かせるような状況が長らく続いたアルケミーもやっと平穏が訪れるか……。と期待していましたが、そうは問屋が卸しませんでした。
アルケミーを荒れさせた元凶のひとつである《ゆすり屋のボス》は健在で、そのデッキは姿を変え復活を果たしたのです。
24:Land 4:《闇孔の小道/Darkbore Pathway》 4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》 4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 4:《ジアトラの試練場/Ziatora’s Proving Ground》 3:《憑依された峰/Haunted Ridge》 3:《落石の谷間/Rockfall Vale》 2:《死天狗茸の林間地/Deathcap Glade》 |
14:other 4:《舞台座一家のお祭り騒ぎ/Cabaretti Revels》 2:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 4:《村の儀式/Village Rites》 4:《命取りの論争/Deadly Dispute》 |
22:creatures 4:《ゴブリンの罠探し/Goblin Trapfinder》 4:《ゆすり屋のボス/Racketeer Boss》 4:《不吉な旅人/Ominous Traveler》 4:《アーチリッチ、アサーラック/Acererak the Archlich》 4:《語りの神、ビルギ/Birgi, God of Storytelling》 1:《裕福な亭主/Prosperous Innkeeper》 1:《魂浸し、ダイナ/Dina, Soul Steeper》 |
15:sideboard 4:《マインド・スパイク/Mind Spike》 4:《揺らぐ信仰の呪い/Curse of Shaken Faith》 4:《溶鉄の衝撃/Molten Impact》 3:《選別の儀式/Culling Ritual》 |
ソース:MTGMLEE-Crokeyz Alchemy: Baldurs Gate
このデッキの勝ち手段は《アーチリッチ、アサーラック》を手札と戦場を無限に行き来させ、ダンジョンの《ファンデルヴァーの失われた鉱山》によって、無限ドレインで勝利を狙うものとなっています。
無限コンボの手順は以下の通り
《ゴブリンの罠探し》の効果で《アーチリッチ、アサーラック》を抽出し、《ゆすり屋のボス》で抽出した《アーチリッチ、アサーラック》に宝物トークンを生成する能力を付与。
これにより《アーチリッチ、アサーラック》を1マナで唱える事ができ、唱えた際に宝物トークンが生成されるようになるので、無限に唱える事が可能となります。



コンボパーツは全てクリーチャーですが、《ゴブリンの罠探し》や《ゆすり屋のボス》は相手の除去から守ったりする必要は無く、準備が整えば1マナとなった《アーチリッチ、アサーラック》を何度も唱えるだけなのでタイミングを見計らいやすいのは非常に大きな強みと言えます。
禁止により姿を消したイグナス・コンボと比較すると、コンボ始動を除去で止められる点や、コンボ成立までの手順が増えた事による安定性と速度の低下が懸念材料であるのは否めませんが、前述の通りコンボ時の他のクリーチャーを守らなくても良いという点は、相手からの妨害をかいくぐりやすい要素となっています。
とはいえコンボ成立までに時間がかかる可能性が高く、それだけは安定した勝利は難しくなるでしょう。
そこでほかのアプローチから攻める手段も取られてることとなっています。

不吉な旅人が戦場に出たとき、不吉な旅人の呪文書からカード1枚をドラフトする。そのカードは「あなたは、この呪文を唱えるためにマナを望む色のマナであるかのように支払ってもよい。」と「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたがコントロールしていて《不吉な旅人/Ominous Traveler》という名前であるクリーチャー1体をオーナーの手札に戻す。」を永久に得る。

あなたがクリーチャー・呪文を唱えるたび、それよりもマナ総量が小さいクリーチャー・カード1枚を抽出し、戦場に出す。
《不吉な旅人》も《ゴブリンの罠探し》+《ゆすり屋のボス》と強力なシナジーを形成し、《舞台座一家のお祭り騒ぎ》と合わせて爆発的なアドバンテージを得る事ができ、最終目的である《アーチリッチ、アサーラック》の無限コンボ成立の潤滑油的な働きも期待できます。
これに《語りの神、ビルギ》が合わせれば無限とまではいかなくても驚異的な展開力を発揮し、そのまま殴り勝つ事もあるほどで、多角的な攻め方の出来るデッキへと仕上がる事となりました。
今回ご紹介したジャンド・コンボは150名を超えるイベントで優勝したという実績に加え、同様のアーキタイプはトップ8に3名、使用率2位、勝率60%を超えと明確な勝ち組デッキとなっており、その強さを見せつける事となりました。
イグナス・コンボの元凶のひとつである《ゆすり屋のボス》も極めて強力なカードで、キーワード能力『永久に』が強すぎるのではという議論も巷で行われるきっかけとなったこれらのデッキ。
またいつ調整が入って使用出来なくなるかもしれません。
もしどうしても使って見たいというのであればチャンスは今しかないかもしれませんね。
貴重なワイルドカードの消費を気にしない方はぜひ試してみて下さい。
それではまた。