直近で行われた2つの大型トーナメント、ニューカペナチャンピオンシップと日本選手権2022。
エスパーやジャンドといったミッドレンジ系やグリクシス吸血鬼など新興勢力から、ジェスカイ日向、イゼットコントロール、ジェスカイコンボなど以前から存在するアーキタイプも活躍するなど多様なデッキが混在するスタンダード環境となりました。
一方で惜しくもトップ8には残れなかったものの、ポテンシャルの高いデッキも多数見受けられました。
今回はニューカペナチャンピオンシップに焦点を当て、好成績を残したデッキや個人的に気になったデッキを5つほどピックアップしてご紹介していきたいと思います。
目次
注目デッキピックアップ
※使用者名はMTGMLEEでの登録名で表記しています。
イゼットミル
19:Land 7:《山/Mountain》 4:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast》 4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》 2:《島/Island》 1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》 1:《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》 |
41:other 1:《セレスタス/The Celestus》 4:《家の焼き払い/Burn Down the House》 4:《表現の反復/Expressive Iteration》 3:《ターシャズ・ヒディアス・ラフター/Tasha’s Hideous Laughter》 4:《予想外の授かり物/Unexpected Windfall》 4:《大勝ち/Big Score》 4:《感電の反復/Galvanic Iteration》 4:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》 3:《消えゆく希望/Fading Hope》 2:《棘平原の危険/Spikefield Hazard》 2:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 2:《削剥/Abrade》 2:《シルンディの幻視/Silundi Vision》 2:《災厄招来/Invoke Calamity》 |
0:creatures |
15:sideboard 4:《くすぶる卵/Smoldering Egg》 3:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 2:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 2:《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror》 1:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 1:《消えゆく希望/Fading Hope》 1:《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned》 1:《才能の試験/Test of Talents》 |


【ターシャズ・ヒディアス・ラフター】で対戦相手のライブラリーをゼロにする事で勝利を狙うデッキ。
ほとんどの場合【ターシャズ・ヒディアス・ラフター】1.2回程度ではライブラリーを削りきる事が難しいため、【感電の反復】や【災厄招来】で何度も唱えられるような構成となっています。
最近はミッドレンジ系のデッキが流行している事から盤面に干渉するカードが多用されており、クリーチャーが1枚も入っていないので、特にメインボードでは相手の除去を腐らせる事が出来るのは無視できないメリットと言えます。
場合によっては【家の焼き払い】によるデビル・トークンで殴り勝つプランもあり、またサイド後は【くすぶる卵】や【船砕きの怪物】を投入し、イゼットコントロールに変化させる戦略を取っており、対戦相手に難しい選択を迫る事が出来ます。
5色コントロール
29:Land 4:《ジェトミアの庭/Jetmir’s Garden》 4:《枝重なる小道/Branchloft Pathway》 4:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast》 4:《憑依された峰/Haunted Ridge》 2:《スパーラの本部/Spara’s Headquarters》 2:《ジアトラの試練場/Ziatora’s Proving Ground》 1:《皇国の地、永岩城/Eiganjo, Seat of the Empire》 1:《森/Forest》 1:《砕かれた聖域/Shattered Sanctum》 1:《闇孔の小道/Darkbore Pathway》 1:《連門の小道/Hengegate Pathway》 1:《樹皮路の小道/Barkchannel Pathway》 1:《さびれた浜/Deserted Beach》 1:《針縁の小道/Needleverge Pathway》 1:《死天狗茸の林間地/Deathcap Glade》 |
24:other 4:《急使の手提げ鞄/Courier’s Briefcase》 2:《セレスタス/The Celestus》 4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 3:《神の乱/The Kami War》 3:《古き神々への拘束/Binding the Old Gods》 2:《霜と火の戦い/Battle of Frost and Fire》 1:《集団失踪/Depopulate》 3:《運命的不在/Fateful Absence》 2:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 |
7:creatures 4:《産業のタイタン/Titan of Industry》 2:《樹の神、エシカ/Esika, God of the Tree》 1:《星界の大蛇、コーマ/Koma, Cosmos Serpent》 |
15:sideboard 4:《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》 3:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 3:《ロアホールドの命令/Lorehold Command》 2:《ポータブル・ホール/Portable Hole》 1:《霜と火の戦い/Battle of Frost and Fire》 1:《かき消し/Make Disappear》 1:《ドゥームスカール/Doomskar》 |


大量の多色土地と【セレスタス】【急使の手提げ鞄】等でマナベースを整えつつ、除去でしのいでいき、【神の乱】【産業のタイタン】といったパワーカードで盤面を掌握していく流れとなります。
【神の乱】【古き神々への拘束】によって、プレインズウォーカーを含む大抵のパーマネントに対処可能となっており、ミッドレンジが流行している今の環境にはマッチしていると言えます。
アグロデッキへの不利は否めないものの、現環境のアグロデッキと言えばナヤルーンが筆頭となっており、その点に関してはサイド後に【エメリアのアルコン】や【ポータブルホール】などを厚めに取る事で対応する事が可能となってます。
ティムールコントロール
25:Land 4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》 4:《樹皮路の小道/Barkchannel Pathway》 4:《落石の谷間/Rockfall Vale》 3:《夢根の滝/Dreamroot Cascade》 2:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast》 1:《山/Mountain》 1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》 1:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants》 1:《島/Island》 |
26:other 1:《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》 4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 1:《霜と火の戦い/Battle of Frost and Fire》 4:《表現の反復/Expressive Iteration》 1:《轟く叱責/Thundering Rebuke》 1:《家の焼き払い/Burn Down the House》 3:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》 3:《ドラゴンの火/Dragon’s Fire》 2:《否認/Negate》 2:《消えゆく希望/Fading Hope》 2:《記憶の氾濫/Memory Deluge》 1:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 1:《棘平原の危険/Spikefield Hazard》 |
9:creatures 4:《産業のタイタン/Titan of Industry》 3:《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon》 2:《ガラゼス・プリズマリ/Galazeth Prismari》 |
15:sideboard 3:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 2:《星界の大蛇、コーマ/Koma, Cosmos Serpent》 2:《エシカの戦車/Esika’s Chariot》 2:《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror》 2:《プリズマリの命令/Prismari Command》 1:《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》 1:《才能の試験/Test of Talents》 1:《消えゆく希望/Fading Hope》 1:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 |


日本のとある調整チームが持ち込んだのがこのティムールコントロール。
ベースとしてはイゼットコントロールですが、フィニッシャーに【産業のタイタン】を4枚採用している特徴的なデッキとなっています。
【ガラゼス・プリズマリ】を採用している事で【ドラゴンの火】が使いやすくなっており、【悪魔の稲妻】等重い除去を取らずとも、【策謀の予見者、ラフィーン】や【エシカの戦車】といったタフネス4も除去出来るようになりました。
【産業のタイタン】はエスパーやジャンドのような除去の多いミッドレンジ相手にも安定したパフォーマンスを発揮出来る事から、消耗戦に強く納得の採用。
打ち消しを多用してくるコントロール相手には【船砕きの怪物】や【星界の大蛇、コーマ】といった打ち消されない制圧力のあるクリーチャーを投入となります。
カードそれぞれの細かいチョイスが光る洗練されたデッキとなっています。
20:Land 19:《冠雪の島/Snow-Covered Island》 1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》 |
24:other 4:《消えゆく希望/Fading Hope》 4:《とんずら/Slip Out the Back》 4:《本質の把捉/Essence Capture》 4:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》 3:《発見への渇望/Thirst for Discovery》 3:《呪文貫き/Spell Pierce》 2:《霊灯の罠/Geistlight Snare》 |
16:creatures 4:《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》 4:《隆盛するスピリット/Ascendant Spirit》 4:《幽体の敵対者/Spectral Adversary》 4:《夢鎖の霊/Dreamshackle Geist》 |
15:sideboard 3:《心悪しき隠遁者/Malevolent Hermit》 3:《オリークの誘惑/Tempted by the Oriq》 2:《才能の試験/Test of Talents》 2:《一蹴/Out of the Way》 1:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 1:《否認/Negate》 1:《真髄の針/Pithing Needle》 1:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse》 1:《発見への渇望/Thirst for Discovery》 |


青単色で構成される、いわゆるクロックパーミッションと呼ばれるデッキ。
序盤から青の軽量飛行クリーチャーを展開していき、打ち消しやバウンス等で時間を稼ぎながら攻め立てます。
線の細いこのデッキを支えるのが【幽体の敵対者】で、アタッカー、除去耐性、時間稼ぎと全ての役割をこのカードは担う事ができるようになっています。
相手への妨害ももちろん重要ですが、それよりもなにより息切れしないように注意していく必要があります。
青単色の都合上、確定除去が無く、バウンスやタップ、フェイズアウトでの時間稼ぎしかないので、一度息切れしてしまうとジリ貧になってしまいます。
打ち消しや【とんずら】、【幽体の敵対者】でいかに除去をかわしながら息切れせずに攻め続ける事が出来るか、プレイするうえで非常にタイトなデッキとなっています。
イゼットカラミティ
20:Land 4:《山/Mountain》 4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》 4:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast》 1:《島/Island》 1:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants》 1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》 1:《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》 |
40:other 2:《セレスタス/The Celestus》 4:《研究体/Body of Research》 4:《表現の反復/Expressive Iteration》 3:《家の焼き払い/Burn Down the House》 1:《轟く叱責/Thundering Rebuke》 4:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》 4:《カズールの憤怒/Kazuul’s Fury》 4:《災厄招来/Invoke Calamity》 4:《大勝ち/Big Score》 3:《予想外の授かり物/Unexpected Windfall》 2:《消えゆく希望/Fading Hope》 2:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 2:《電圧のうねり/Voltage Surge》 1:《感電の反復/Galvanic Iteration》 |
0:creatures |
15:sideboard 3:《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror》 2:《否認/Negate》 2:《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》 2:《心悪しき隠遁者/Malevolent Hermit》 2:《襲来の予測/Saw It Coming》 2:《白熱する議論/Heated Debate》 1:《轟く叱責/Thundering Rebuke》 1:《消えゆく希望/Fading Hope》 |


【研究体】によって生成された巨大トークンを【カズールの憤怒】で大ダメージを与えるコンボデッキ。
コンボを成立させるまではイゼットコントロールとして立ち振る舞っていく事になります。
コンボデッキであり、2枚のコンボパーツが合計9マナでなおかつ色拘束も厳しいため、【大勝ち】【予想外の授かり物】【セレスタス】と、ドローとマナを安定を両立出来るカードが大量に投入されているのが特徴的です。
基本的に除去ではコンボを妨害される事はなく、大量のドローや【災厄将来】で少々の手札破壊にも耐性があるため、中速のミッドレンジには優位を保てます。
サイド後は【船砕きの怪物】を投入しイゼットコントロールへと変化するプランもとられていますが、コンボパーツを少量残して相手に難しい選択を迫るなど多角的なゲームプランを持っているのが強みと言えます。
グルール土地破壊
22:Land 5:《山/Mountain》 4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 4:《落石の谷間/Rockfall Vale》 4:《廃墟の地/Field of Ruin》 2:《森/Forest》 1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》 1:《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》 1:《ハイドラの巣/Lair of the Hydra》 |
33:other 4:《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》 4:《浄化の野火/Cleansing Wildfire》 4:《炎血の発想/Igneous Inspiration》 3:《家の焼き払い/Burn Down the House》 3:《凶兆の血の暴行/Dire-Strain Rampage》 2:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》 4:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》 3:《棘平原の危険/Spikefield Hazard》 3:《削剥/Abrade》 2:《白熱する議論/Heated Debate》 1:《安堵の火葬/Cathartic Pyre》 |
5:creatures 3:《樹海の幻想家、しげ樹/Shigeki, Jukai Visionary》 2:《産業のタイタン/Titan of Industry》 |
15:sideboard 2:《タジュールの荒廃刃/Tajuru Blightblade》 2:《壮麗な日の出/Glorious Sunrise》 2:《くすぶる卵/Smoldering Egg》 1:《家の焼き払い/Burn Down the House》 1:《凶兆の血の暴行/Dire-Strain Rampage》 1:《産業のタイタン/Titan of Industry》 1:《燃えがら地獄/Cinderclasm》 1:《環境科学/Environmental Sciences》 1:《封印突破法/Containment Breach》 1:《歴史解明学/Illuminate History》 1:《害獣召喚学/Pest Summoning》 1:《マスコット展示会/Mascot Exhibition》 |


第5回Sekappy COLOSSEUMにてオリジナリティ溢れるゴルガリコントロールで見事優勝を収めたAkio Matsuzaki選手の最新作。
【浄化の野火】【廃墟の地】だけでなく、【凶兆の血の暴行】までも採用しており、さらにこれらを【樹海の幻想家、しげ樹】【バーラ・ゲドの復活】で使い回し、徹底的に相手の土地を破壊しつくす構成となっています。
フィニッシャーには【産業のタイタン】が採用されおり、速やかにゲームを終わらせてくれるでしょう。
ニューカペナチャンピオンシップでは残念ながら結果を残すことが出来ませんでしたが、自由な発想から生まれる独創的なデッキはとても魅力的ですね。
まとめ
今回は以上となります。
今後のスタンダードにも影響を与えていきそうなデッキばかりでしたが、カード個別で見ると、【産業のタイタン】なんかは今後活躍の場をさらに広げていきそうな予感がしますね。
皆さんもぜひトーナメント参加者のデッキリストから好みのデッキを探してみて下さい。