【スタンダード】現環境の黒デッキたち

皆さんもご存じの通り直近のスタンダードは、『緑単アグロ』、『アールンドの天啓』、『イゼットドラゴン』、『白単アグロ』を中心としたメタゲームとなっており、世界選手権で活躍した『ティムールトレジャー』などがそれらを追随するような形になっています。

特定のデッキが突出しているわけではなく割と健全な環境に見えますが、何か忘れているような?

緑単、イゼット、白単…..。

そうです。黒いデッキがいないのです!
世界選手権でイゼット天啓に黒をタッチした『グリクシス天啓』は記憶に新しいですが、それでもまだ現在のスタンダード環境における黒は存在感がありません。

しかし優秀な手札破壊や除去もありポテンシャルは充分あるはず。
今日はオンラインで日々行われている様々なイベントから、気になった黒いデッキを厳選して4つほどご紹介していきます。

グリクシストレジャー
10/16-Aeny's Turnament(5-1-1)
使用者
MordenCaile
25:land
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》
4:《清水の小道/Clearwater Pathway》
4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》
3:《島/Island》
3:《山/Mountain》
2:《難破船の湿地/Shipwreck Marsh》
2:《沼/Swamp》
2:《憑依された峰/Haunted Ridge》
1:《廃墟の地/Field of Ruin》

16:Creature
4:《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon》
4:《隠棲した絵描き、カレイン/Kalain, Reclusive Painter》
4:《よろめく怪異/Shambling Ghast》
2:《ガラゼス・プリズマリ/Galazeth Prismari》
2:《スカルポートの商人/Skullport Merchant》
19:other
4:《アールンドの天啓/Alrund's Epiphany》
2:《戦利品奪取/Seize the Spoils》
4:《命取りの論争/Deadly Dispute》
3:《襲来の予測/Saw It Coming》
2:《冥府の掌握/Infernal Grasp》
2:《マグマ・オパス/Magma Opus》
2:《プリズマリの命令/Prismari Command》
Sideboard
3:《落第/Flunk》
3:《心悪しき隠遁者/Malevolent Hermit》
2:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2:《才能の試験/Test of Talents》
2:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre》
2:《冥府の掌握/Infernal Grasp》
1:《竜巻の召喚士/Cyclone Summoner》
MTGのデッキ『ティムールトレジャー』の画像

出典:MTGMELEE-Aeny’s Turnament

状況に応じて【ガラゼス・プリズマリ】と併用してマナ加速として使ったり、【スカルポートの商人】などでアドバンテージ源として使ったりと、後半は腐りやすい宝物トークンがゲームのどのタイミングでも活かせるように工夫されているのが特徴的です。

大量の宝物トークンにより、【黄金架のドラゴン】+【アールンドの天啓】に早く到達しやすく、【隠棲した絵描き、カレイン】によって打点も上がるため、比較的早い段階でマウントを取る事もできます。

選択肢が多い分イゼット天啓よりややプレイ難易度は高い印象ですが、使いこなせばメタデッキを圧倒できるかも?

ディミーアコントロール
10/14-STANDARD PRELIMINARY(4-0)
使用者
KELMASTERP
25:land
4:《不詳の安息地/Faceless Haven》
1:《廃墟の地/Field of Ruin》
4:《氷のトンネル/Ice Tunnel》
4:《難破船の湿地/Shipwreck Marsh》
5:《冠雪の島/Snow-Covered Island》
7:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》

7:Creature
3:《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned》
4:《セッジムーアの魔女/Sedgemoor Witch》
28:other
2:《雪上の血痕/Blood on the Snow》
3:《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
4:《強迫/Duress》
4:《考慮/Consider》
4:《ゼロ除算/Divide by Zero》
3:《消えゆく希望/Fading Hope》
1:《落第/Flunk》
2:《冥府の掌握/Infernal Grasp》
2:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》
2:《記憶の氾濫/Memory Deluge》
1:《パワー・ワード・キル/Power Word Kill》
Sideboard
2:《雪上の血痕/Blood on the Snow》
1:《環境科学/Environmental Sciences》
3:《真っ白/Go Blank》
1:《遺跡の碑文/Inscription of Ruin》
4:《心悪しき隠遁者/Malevolent Hermit》
1:《マスコット展示会/Mascot Exhibition》
2:《魂の粉砕/Soul Shatter》
1:《アルカイックの教え/Teachings of the Archaics》

青のサポート力と黒の除去能力で構成された由緒正しい青黒コントロール。

メインボードの打ち消し呪文がジュワー島の撹乱の2枚のみで、相手のターンにマナを立たせておく事を重視していない、いわゆる『タップアウト型』のコントロールデッキとなっており、世界選手権でも活躍した【溺神の信奉者、リーア】をフューチャーしているのが印象的です。

打ち消し呪文の代わりに強迫が4枚投入されており、ゼロ除算と組み合わせる事で実質的に打ち消し呪文と同様の働きを持たせる事もでき、手札破壊の欠点である後引きにも若干の耐性を持たせれる工夫がされています。

【セッジムーアの魔女】が採用されいますが、序盤から中盤にかけては守りのカードとして戦線を維持し、後半は【溺神の信奉者、リーア】の墓地にあるカードにフラッシュバックを持たせる常在型能力によって大量のトークンを発生させ、すみやかにゲームを終わらせる力も持っています。

メインからサイドまで除去が多くアグロには有利に戦えるでしょう。
アールンドの天啓デッキとも渡り合えるなら『ディミーアコントロール』は今後注目しておくべきデッキのひとつと言えますね。

出典:MTGアメリカ公式-STANDARD PRELIMINARY

黒単アグロ
10/16~10/17:Red Bull Untapped 2021 International Stop I
(6-2)
使用者
Ramtin Shahshahani
24:land
15:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
4:《不詳の安息地/Faceless Haven》
3:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》
2:《廃墟の地/Field of Ruin》

20:Creature
4:《ひきつり目/Eyetwitch》
4:《よろめく怪異/Shambling Ghast》
4:《スカイクレイブの影/Skyclave Shade》
4:《セッジムーアの魔女/Sedgemoor Witch》
2:《偽りのパラディン/Forsworn Paladin》
2:《ネファリアのグール呼び、ジャダー/Jadar, Ghoulcaller of Nephalia》
16:other
4:《蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen》
3:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre》
4:《踊り食い/Eaten Alive》
3:《命取りの論争/Deadly Dispute》
2:《冥府の掌握/Infernal Grasp》
Sideboard
4:《真っ白/Go Blank》
3:《強迫/Duress》
2:《落第/Flunk》
2:《雪上の血痕/Blood on the Snow》
1:《環境科学/Environmental Sciences》
1:《封印突破法/Containment Breach》
1:《害獣召喚学/Pest Summoning》
1:《マスコット展示会/Mascot Exhibition》

黒単アグロと表記していますが、実際は序盤の速さに特化しておらず、ある程度ロングゲームを見越したミッドレンジ的な構成になっています。

【食肉鉤虐殺事件】は単なる除去になるだけでなく、【セッジムーアの魔女】などでクリーチャーを量産できるこのデッキでは大ダメージを与える可能性もあり、対戦相手の計算を一気に狂わせる事ができます。
特に【蜘蛛の女王、ロルス】とは非常に相性がよく、2番目の能力によって生み出されたトークンでライフロスを発生させ、トークンが死亡しても忠誠度を上げたりと無駄がありません。

【スカイクレイブの影】【ひきつり目】【命取りの論争】によって息切れしづらいように工夫がされ、さらにサイド後は合計7枚もの手札破壊を投入する事で低速デッキ相手に有利に戦う事ができます。

【滅びし者の勇者】などでもっとアグロ寄りにする事も考えられる黒単デッキ。
いろいろ自分で調整してみるのも面白そうですね。

マルドゥフューリー
10/16~10/17:Red Bull Untapped 2021 International Stop I
(8-2-1)
使用者
Adam Marcisz
21:land
4:《陽光昇りの小道/Brightclimb Pathway》
4:《針縁の小道/Needleverge Pathway》
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》
4:《憑依された峰/Haunted Ridge》
2:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》
1:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》
1:《沼/Swamp》
1:《山/Mountain》

22:Creature
4:《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon》
4:《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》
4:《無謀な嵐探し/Reckless Stormseeker》
3:《穢れた敵対者/Tainted Adversary》
3:《隠棲した絵描き、カレイン/Kalain, Reclusive Painter》
3:《よろめく怪異/Shambling Ghast》
1:《血に飢えた敵対者/Bloodthirsty Adversary》
17:other
2:《スカルドの決戦/Showdown of the Skalds》
2:《強迫/Duress》
2:《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
1:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》
4:《命取りの論争/Deadly Dispute》
2:《セジーリの防護/Sejiri Shelter》
2:《カズールの憤怒/Kazuul's Fury》
2:《冥府の掌握/Infernal Grasp》
Sideboard
4:《バーニング・ハンズ/Burning Hands》
3:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre》
2:《強迫/Duress》
2:《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy》
1:《レイ・オヴ・エンフィーブルメント/Ray of Enfeeblement》
1:《魂の粉砕/Soul Shatter》
1:《天使火の覚醒/Angelfire Ignition》
1:《真っ白/Go Blank》

先日行われた第27回世界選手権にて準優勝したJEAN-EMMANUEL DEPRAZが持ち込んだ『ティムールトレジャー』によって、【無謀な嵐探し】や【黄金架のドラゴン】による速攻アタックが、アールンドの天啓デッキのような「待つ」デッキに対して効果的なのは広く知られる事となりました。
【セジーリの防護】の採用がこれらのクリーチャーを守れば勝てるんだという強い意思を感じさせますね。

さらにこの『マルドゥフューリー』は、【 無謀な嵐探し 】【命取りの論争】が4枚、【スカルドの決戦】や【強迫】、さらには【墓地の侵入者】まで採用されておりコントロールを意識しているのが伺えます。

【カズールの憤怒】はかつて【憤激解放】とのコンボで使用されていましたが、このデッキでは特別大ダメージを与えるギミックがあるわけでなく、あくまで最後の一押しという感覚で使われているようです。
それでもクリーチャーのサイズを上げるカードは多数投入されているので、それなりに大きいダメージも期待できるでしょう。

コントロール(特にイゼット天啓)を意識した構成な分、対アグロが不利になってしまいますが、サイドボードに9枚もの除去を割き対策しています。

比較的丸い構成の『ティムールレジャー』を対コントロール用にしたようなコンセプトのデッキなので、使用するにはしっかりメタゲームを読んで細かい調整をする必要がありますね。

出典:MTGMLEE-Red Bull Untapped 2021 International Stop I

まとめ

いかがだったでしょうか?

いろんなイベント結果を見ていくと黒いデッキが環境から完全に駆逐されているわけではなく、割といい線までいってあと一息でトップ8というのもちらほら見かけます。

もう少し時間がたって黒の研究が進めば環境にトップに食い込んでくるポテンシャルも充分あるのではないでしょうか?

『イニストラード:真紅の契り』も発売までおよそ一か月と迫ってきていますし、黒の復権はもうすぐかもしれませんね。

今後も注目していきましょう!

管理人

管理人

MTG歴20年以上(一応)
現在はMTGアリーナとマジックオンラインを中心に活動しています。
どちらかというとリミテッドより構築好きです。

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