【ヒストリック】神河チャンピオンシップ:トップ8デッキ解説

今回は先日行われた『神河チャンピオンシップ』にてトップ8入賞を果たしたデッキの解説をしていきたいと思います。

神河チャンピオンシップ-注目デッキと解説

イゼットフェニックス

  使用者:Eli Kassis
21:Land
1:《島/Island》
4:《蒸気孔/Steam Vents》
4:《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》
4:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast》
4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》
1:《湿った墓/Watery Grave》
1:《清水の小道/Clearwater Pathway》
2:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》
24:other
4:《考慮/Consider》
4:《選択/Opt》
1:《呪文貫き/Spell Pierce》
4:《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4:《邪悪な熱気/Unholy Heat》
2:《火柱/Pillar of Flame》
4:《表現の反復/Expressive Iteration》
1:《約束の終焉/Finale of Promise》
15:creatures
4:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler》
2:《スプライトのドラゴン/Sprite Dragon》
4:《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》
2:《弾けるドレイク/Crackling Drake》
2:《嵐翼の精体/Stormwing Entity》
1:《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》
15:sideboard
2:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
1:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》
1:《削剥/Abrade》
1:《否認/Negate》
4:《碑出告が全てを貪る/Hidetsugu Consumes All》
2:《神秘の論争/Mystical Dispute》
1:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
1:《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》

まずは現在のヒストリック環境を象徴するイゼットフェニックス。

【ドラゴンの怒りの媒介者】【スプライトのドラゴン】を展開し、軽量ドロー呪文を連打する事でこれらのクリーチャーのサイズアップを図ります。
この一連の動きによって、【弧光のフェニックス】を墓地に落としつつ復活させる条件を自然に満たす事ができるので、一気に対戦相手のライフを削っていく事ができるようになります。

上記のリストではサイドボードに【碑出告が全てを貪る】が4枚採用されていますが、Ⅰ章で【魔女のかまど】【貪欲なるリス】【金のガチョウ】【大釜の使い魔】、食物トークンなどやっかいな1マナ以下のパーマネントをまとめて対処できるうえに、Ⅱ章で【大釜の使い魔】を追放と、ゴルガリフードへの対策として非常に噛み合った1枚となっています。

また、イゼットフェニックスは墓地対策に弱いという欠点もありますが、【弾けるドレイク】【嵐翼の精体】といった墓地を参照しないクリーチャーや、サイド後はプレインズウォーカーでアドバンテージを得るなどして墓地に依存しすぎない工夫もなされています。

苦手なカードやマッチアップに上手く対抗できるように細かい調整がされおり、優勝も納得の仕上がりとなっています。

ゴルガリフード

使用者:Jonny Guttman
23:Land
1:《沼/Swamp》
4:《草むした墓/Overgrown Tomb》
4:《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
4:《闇孔の小道/Darkbore Pathway》
2:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》
1:《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire》
2:《カルニの庭/Khalni Garden》
2:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
23:other
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
4:《魔女のかまど/Witch’s Oven》
2:《骨の破片/Bone Shards》
2:《致命的な一押し/Fatal Push》
4:《命取りの論争/Deadly Dispute》
4:《パンくずの道標/Trail of Crumbs》
1:《定命の槍/Mortality Spear》
4:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre》
14:creatures
4:《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》
4:《金のガチョウ/Gilded Goose》
4:《貪欲なるリス/Ravenous Squirrel》
2:《呪い縛りの魔女/Cursebound Witch》
15:sideboard
1:《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
2:《墓の肉裂き/Graf Reaver》
2:《辺境地の罠外し/Outland Liberator》
2:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
4:《思考囲い/Thoughtseize》
1:《ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation》
1:《アルゲールの断血/Arguel’s Blood Fast》
2:《選別の儀式/Culling Ritual》

【大釜の使い魔】【魔女のかまど】のコンボを中心に様々なシナジーを生み出すデッキとなっています。

【パンくずの道標】による恒久的なカードアドバンテージ、【貪欲なるリス】のサイズアップ、【食肉鉤虐殺事件】によるライフロスの増加とゲームに与える影響はどれも大きく、これらのシナジーは対処されなければ速やかにゲームを終わらせる強さを持っています。

これらのカードは上記コンボが成立していなくても充分な効力を発揮する事ができ、同じタイプのデッキであるジャンドフードと比べても2色であるという点も含めて、安定性の高さが強みとなっています。

デッキ全体が非常に軽いため、【夢の巣のルールス】を相棒にできるのも嬉しいポイントです。

メインから全体除去が4枚投入されていることからアグロデッキに強く、【パンくずの道標】によるアドバンテージによってコントロールともしっかり渡り合う事ができます。

神河:輝ける世界から【告別】という強力なアンチカードが登場しましたが、それでも安定性の高さや、幅広く戦えるという点で、現状ヒストリックにおける有力デッキのひとつと見て間違いありません。

ラクドスアルカニスト

使用者:Zach Dunn
22:Land
2:《沼/Swamp》
2:《山/Mountain》
4:《血の墓所/Blood Crypt》
1:《憑依された峰/Haunted Ridge》
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》
2:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》
2:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire》
1:《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》
3:《寓話の小道/Fabled Passage》
25:other
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
4:《思考囲い/Thoughtseize》
2:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
1:《強迫/Duress》
2:《致命的な一押し/Fatal Push》
1:《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
3:《邪悪な熱気/Unholy Heat》
1:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》
1:《棘平原の危険/Spikefield Hazard》
2:《真っ白/Go Blank》
1:《魔性/Bedevil》
1:《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
1:《ハグラの噛み殺し/Hagra Mauling》
2:《不笑のソリン/Sorin the Mirthless》
1:《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
13:creatures
4:《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》
3:《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger》
2:《マグマの媒介者/Magmatic Channeler》
4:《歴戦の紅蓮術士/Seasoned Pyromancer》
15:sideboard
3:《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
2:《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》
1:《致命的な一押し/Fatal Push》
2:《大群への給餌/Feed the Swarm》
1:《溶岩コイル/Lava Coil》
4:《碑出告が全てを貪る/Hidetsugu Consumes All》
1:《魔性/Bedevil》
1:《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》

大量の手札破壊や軽量除去を【戦慄衆の秘儀術師】で使いまわしながら対戦相手のリソースを奪い、【死の飢えのタイタン、クロクサ】やプレインズウォーカーでプレッシャーを与えていくのが基本的な動きになります。

これでもかというほどの手札破壊によってコンボやコントロールにめっぽう強いのが特徴ですが、反面アグロデッキ相手には多すぎる手札破壊があだとなって、盤面の脅威に対抗できずそのまま負けてしまう事もしばしばあります。

神河チャンピオンシップでは使用率の高いデッキには愚直なアグロデッキが少なく、ラクドスアルカニストにとっては比較的戦いやすいメタゲームだったようで、結果としてトップ8に二名を送り込む上々の結果をもたらしました。

こちらのリストもサイドボードに【碑出告が全てを貪る】が4枚投入されており、このカードがヒストリックに与えた影響は予想外に高かったようです。

アゾリウスオーラ

ヒストリック:【アゾリウスオーラ】 使用者:Jim Davis
22:Land
7:《平地/Plains》
4:《氷河の城砦/Glacial Fortress》
4:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4:《連門の小道/Hengegate Pathway》
3:《島/Island》
:other
4:《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》
4:《歩哨の目/Sentinel’s Eyes》
3:《秘儀での飛行/Arcane Flight》
3:《呪文貫き/Spell Pierce》
2:《執着的探訪/Curious Obsession》
2:《ケイラメトラの恩恵/Karametra’s Blessing》
2:《圧倒的洞察/Staggering Insight》
18:creatures
4:《エスパーの歩哨/Esper Sentinel》
3:《無私の救助犬/Selfless Savior》
4:《コーの精霊の踊り手/Kor Spiritdancer》
4:《上級建設官、スラム/Sram, Senior Edificer》
3:《嵐追いのドレイク/Stormchaser Drake》
15:sideboard
1:《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
3:《ポータブル・ホール/Portable Hole》
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
3:《静寂をもたらすもの/Hushbringer》
2:《紺碧のドレイク/Cerulean Drake》
2:《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》
2:《ヘリオッドの神罰/Heliod’s Punishment》

【コーの精霊の踊り手】【上級建設官、スラム】を始め、ドロー能力を持つカードが大量に投入されており、驚異的なアドバンテージ力がこのデッキの最大の強みとなっています。

リソースが尽きないため、1対1交換を繰り返し来るような中・低速デッキには比較的有利に立ち回る事ができ、対アグロでも【コーの精霊の踊り手】に絆魂がついてしまえば1対で勝てる爆発力も魅力。

一方で妨害手段が少なく、【コーの精霊の踊り手】を引けていないと速さもないためコンボには弱く、またオーラ呪文を連打していきたいこのデッキにとって【スレイベンの守護者、サリア】は最悪のカードで、【粗暴な聖戦士】まで擁する人間デッキは不利なマッチアップになります。

神河チャンピオンシップではイゼットフェニックスやゴルガリフードなどが有力なデッキで、人間系のデッキやコンボは下火だった事から環境にあっていたデッキだったと言えます。

アゾリウス親和

ヒストリック:【アゾリウス親和】 使用者:Jean-Emmanuel Depraz
22:Land
1:《平地/Plains》
1:《島/Island》
4:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2:《さびれた浜/Deserted Beach》
4:《連門の小道/Hengegate Pathway》
4:《産業の塔/Spire of Industry》
1:《皇国の地、永岩城/Eiganjo, Seat of the Empire》
1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》
4:《宝物庫/Treasure Vault》
24:other
1:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
4:《月罠の試作品/Moonsnare Prototype》
4:《ポータブル・ホール/Portable Hole》
3:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
4:《金属の叱責/Metallic Rebuke》
1:《影槍/Shadowspear》
4:《イラクサ嚢胞/Nettlecyst》
3:《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》
14:creatures
2:《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4:《エスパーの歩哨/Esper Sentinel》
4:《巧妙な鍛冶/Ingenious Smith》
4:《思考の監視者/Thought Monitor》
15:sideboard
2:《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》
2:《真髄の針/Pithing Needle》
3:《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》
3:《ガラスの棺/Glass Casket》
1:《神秘の論争/Mystical Dispute》
1:《影槍/Shadowspear》
2:《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》
1:《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》

序盤は軽量アーティファクトを展開していき、【巧妙な鍛冶】【思考の監視者】でアドバンテージを獲得。
最後は【イラクサ嚢胞】によって強化されたクリーチャーで押し切るという流れになります。

イゼットフェニックスに対してはメインから4枚投入されている墓地対策があり、ポータブルホールはオーラ系や食物系デッキの置物に対しても効果的で、これらのカードを【巧妙な鍛冶】で探す事が出来るため、見かけ以上に柔軟性のあるデッキとなっています。

親和らしくアーティファクト対策に脆い一面はあるものの、現状ヒストリックではそこまでアーティファクトへの風当たりは厳しくありません。

幅広いデッキと渡り合える素晴らしい仕上がりになっていますね。

ラクドスサクリファイス

【ラクドスサクリファイス】 使用者:宮野 雄大
22:Land
1:《沼/Swamp》
4:《血の墓所/Blood Crypt》
4:《憑依された峰/Haunted Ridge》
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》
4:《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
3:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》
1:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》
26:other
4:《致命的な一押し/Fatal Push》
4:《思考囲い/Thoughtseize》
4:《実験統合機/Experimental Synthesizer》
4:《魔女のかまど/Witch’s Oven》
4:《命取りの論争/Deadly Dispute》
4:《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil》
2:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre》
12:creatures
4:《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》
4:《貪欲なるリス/Ravenous Squirrel》
4:《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure》
15:sideboard
1:《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
4:《強迫/Duress》
4:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
4:《電圧のうねり/Voltage Surge》
2:《真っ白/Go Blank》

ゴルガリフードと似ていますが、あちらが【パンくずの道標】でアドバンテージを得ていくミッドレンジ的な構成に対して、このラクドスサクリファイスは【鬼流の金床】を採用し、より攻撃的な構成になっています。

【実験統合機】や血・トークンとライブラリーを掘り進める手段が軽く、デッキ自体がそこまで多くのマナを必要としないため、多少のマナスクリューには耐性があります。

ハマった時のライフを削る速度はかなりのもので、【大釜の使い魔】【魔女のかまど】に【鬼流の金床】や【食肉鉤虐殺事件】が加われば、直接攻撃をするまでもなく瞬く間にライフを削りきる事ができます。

【貪欲なるリス】の爆発力も健在で、ブン回った時の手の付けられなさはゴルガリフード以上と言えるでしょう。

管理人

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MTG歴20年以上(一応)
現在はMTGアリーナとマジックオンラインを中心に活動しています。
どちらかというとリミテッドより構築好きです。

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